【和ろうそく】おすすめ!いざという時にも役立つ昔ながらの「日本の灯り」


米のめぐみろうそく<高澤ろうそく店>
米のめぐみろうそく × こま燭台 (小)[高澤ろうそく店]

昔ながらの日本の灯り、「和ろうそく」。
 
スイッチ一つで部屋いっぱいを明るく照らせる現代において、和ろうそくは、かつてのように “日常の灯り” として用いられることは、そう多くありません。
 
とはいえ、今の時代はもちろん、これからの時代にも受け継がれていくべき大切な “暮らしの道具”。
 
お仏壇や神棚でお使い頂くだけではない、「和ろうそく」の魅力について、ご紹介致します。

「屋外での使用」におすすめです

和ろうそく・ななお「N」(点火イメージ)<高澤ろうそく店>
和ろうそく ななお (N)[高澤ろうそく店]

日本には大きく分けて「和ろうそく」と「西洋ろうそく」の2種類があります。
 
コンビニやスーパーなどで気軽に買え、多くの方が一度は手にしたことがある真っ白いろうそくが「西洋ろうそく」です。石油由来のパラフィンを主成分に作られます。
 
一方、「和ろうそく」は、どこにでも売っているというものではなく、原料には櫨 (はぜ) や米ぬか、菜種、ヤシ油など、自然素材、植物性由来のものを使用して作られます。石油を使わない、人にも環境にもやさしい昔ながらのろうそくです。
 
また、使われている “芯” にも大きな違いがあり、「和ろうそく」の芯は、和紙とイ草から採れる灯芯というこれも植物由来の素材が使われており、中は空洞になっています。
 
芯に火をつけると、この空洞から空気が安定的に供給されるため、しっかりとした “丈夫” な炎となります。多少の風で炎が揺らいでも、そうそう消えることはありません。
 
一方の「西洋ろうそく」には、木綿糸が使われます。
和ろうそくのしっかりとした芯に比べると、ひょろっとしたその見た目からは、頼りなさを感じてしまいます。
 
お墓参りの際や手持ち花火で遊ぶ際に、コンビニやスーパーで買った「西洋ろうそく」に火をつけたものの、ちょっとした風が吹いては消えてしまい、何度もつけ直しを強いられた、という経験は、誰しもあるのではないでしょうか。
 
こうした “屋外” でろうそくをお使いになる場面では、ぜひ「和ろうそく」を使ってみてください。
 
その炎の “丈夫さ” に、きっと驚きますよ。

備蓄には「和ろうそく」が “断然” おすすめです

和ろうそく・ななお「A」&ペルシャ紋燭台<高澤ろうそく店・鈴木盛久工房>
和ろうそく ななお (A) × ペルシャ紋燭台 ほか[高澤ろうそく店 × 鈴木盛久工房 × 廣田硝子]

今、いつ起こるか分からない災害に備えて、非常食や防災グッズを常備しているご家庭が非常に増えています。
 
もちろん、災害は起こらないでくれたらそれが何よりですが、もし自分や家族が被害にあった際に、こうした “備え” があらかじめされていたかどうかは、避難時に大きな違いとなって表れることでしょう。
 
水だけでご飯が出来る「アルファ米」
川や池の水も安心して飲める飲み水に変えてくれる「携帯用浄水器」
防寒対策に「エマージェンシーシート」
ハンドルを回せば充電出来る「携帯ラジオ」
いざという時に助かる「携帯トイレ」、などなど。
 
そして、明るい日中であれば様々な活動を行えますが、夜になり真っ暗になってしまうと、昼間出来ていた何気ない動作にも支障をきたします。
 
今は携帯用の「ソーラーパネル」などがあり、それらによって何度も充電出来る「充電池」もありますが、避難生活が長引くことや、悪天候が続くことも想定しておかなければなりません。
便利なそれらも、やがて充電が追い付かなくなるものと心得ておいた方が良さそうです。
 
また、先に登場した「ハンドル (手回し) 充電式」のラジオや懐中電灯も常備しておくべきものの一つだと思いますが、充電が切れた際に、何か行動をする度にハンドルを回しているようでは、心身ともにますます疲弊することでしょう。
 
なにより緊急時では、貴重な「電気」「電池」の類は、出来るだけ節約して使いたいところ。
 
そうしたこともあり、“防災グッズを常備している” というご家庭では、ほとんどの場合、そこに「ろうそく」も入っているかと思います。(もちろん「マッチ」や「ライター」も)
 
しかしそのろうそくは、和ろうそくではなく「西洋ろうそく」なのではないでしょうか。
 
和だろうが洋だろうが「無いよりはマシだろう」と言われれば、その通りです。
 
ですが、せっかく “万が一” の場面を想定して “事前” に用意しているものなのに、「無いよりはマシ」程度のもので良いのでしょうか。
 
以前、実際に震災に遭われた方が、現地で灯りとして「和ろうそく」を使っていたということで、このようなお話をお寄せくださいました。
 
「その炎の美しさに、究極の困窮状態なのにも関わらず豊かさを感じました」
「良いものは気持ちにも余裕を与えるし、困った時には勇気付けてくれるものだと思います」
 
“究極の困窮状態” という言葉が自然と声になって表れるような状態。きっと被災者ではない私がどれだけ想像を巡らせても、それ以上に大変な状況であったはずです。今でもこのメッセージを読み返す度に、私にももっと出来ることがあったのではないかと考えさせられます。
 
そして、こうした現地からの生の声はもちろん、ニュースを通じてでも被災地から伝えて頂いた教訓は、今後にしっかりと活かしていくべき大切な財産であり、決して目を背けたり、忘れたりしてはならないものであると、痛感させられます。

火を消す際は「芯切り」「ろうそく消し」などの道具をお使いください(和ろうそく)
炎の調整や消火の際は、安全のため「芯切り」「ろうそく消し」などの“道具”をお使いください

和ろうそくは、どこでも買える西洋ろうそくに比べると高価な商品です。
 
しかし、その明るさは価格差相当、あるいはそれ以上のものであり、先に述べた炎の “丈夫さ” については、比較になりません。
 
また、西洋ろうそくは、ふっと息を吹きかければ簡単に消えますが、和ろうそくはどうでしょうか。
 
実際に試してみましたが、結果は「無理」のひと言。
和ろうそくの炎を息で吹き消すことは、出来ませんでした。
 
よほど肺活量のある方だったり、「絶対に吹き消してやる!」と構えて挑めば吹き消せるかも知れませんが、多少強く息を吹きかけたくらいでは、まず消えません。
(試してみたい方は、万が一に備えて消火用の水を用意し、周囲に燃えるもの・燃えやすいものがないことをよく確認の上、ろうそくを手に持たない状態でお試しください)
 
先の記事でもお伝えしたとおり、和ろうそくは、“屋外” で使用する際にとても頼もしく、安心して使うことが出来ます。
 
“万が一” に備えてろうそくを準備される際は、ぜひ「和ろうそく」をお選びください。
心からお薦め致します。

ご注意ください

当店で取り扱っている和ろうそくは、全て「高澤ろうそく店」の商品です。(石川県指定稀少伝統工芸品「七尾和ろうそく」)
また、この記事の中で登場する和ろうそくについての内容も、全て同店の商品を使用したことによるものです。
同じ「和ろうそく」であっても、他社で製造しているものが、同店の商品と同等の品質・性能を備えているという保証はございません。

和ろうそくに限らず、ご準備頂いた防災グッズなどは、一度「実際に使ってみる」こともまた “備え” の一環であり、大切なことと思います。
和ろうそくを “備蓄用” にお買い求めの際も、ぜひ実際に火を灯し、「芯切りばさみの使い方」なども試してみてください。一度火を消した和ろうそくも、また問題なく再使用出来ます。

各和ろうそくの商品ページに記載の「商品の特性・ご注意」をよくお読みの上、安全に、正しくお使いください。

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本記事中で使われている商品たち

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米のめぐみろうそく[高澤ろうそく店]

米ぬか油を主な原料としたろうそくで、油煙が少なく、煤 (すす) が出にくいのが特長です。

和ろうそくの正式な形「イカリ型」をした、普段使いにもおすすめの和ろうそくです。


和ろうそく ななお[高澤ろうそく店]

ヤシ油を主な原料とし、自然なままの無着色で仕上げている和ろうそく。

印象的な形は、能登の植物や木の実がもつ曲線をモチーフにデザインされています。全5種


ろうそく消し (あひる)[高澤ろうそく店]

炎の調整や、火を消す際に使用する和ろうそくの必需品。芯切りばさみとしてもお使い頂けます。

和ろうそくは、火を消す際に口で吹き消すと、溶けたロウが周りに飛び散ることがあるので、道具を使うと安心です。真鍮製


こま燭台 (小・中・大)[高澤ろうそく店]

ろうそく消し・芯切りばさみと並ぶ、和ろうそくの必需品。すっきりとしたシンプルなデザインなので、使う場所を選ばず、ろうそくも引き立ちます。南部鉄製


角トレー (無地 / 蒔絵) ウレタン[岩本清商店]

銘々皿やコースターとしてなど、様々な用途に使える焼桐の万能トレー。蒔絵入りの角トレーは、燭台の敷板としてもおすすめです。和ろうそくに火を灯すと蒔絵にやわらかな陰影が生まれ、より一層蒔絵の良さが引き立ちます。


ペルシャ紋燭台[鈴木盛久工房]

繊麗なラインが美しい南部鉄器の手燭。芯切りやろうそく消し、擦ったマッチや炎の調整に切った芯などもそのまま乗せておけるので便利です。和ろうそくにはもちろん、アロマキャンドルにも。


コースター[鈴木盛久工房]

鉄の重厚感の中にも繊細さをあわせもった南部鉄器のコースター。

どんなグラスとあわせても素敵な、涼やかで気品のあるひと品です。全5種


江戸硝子 綾‐aya‐[廣田硝子]

ノスタルジックな雰囲気を持つ琥珀色のガラスに、伝統的切子「あられ紋」を施した、東京下町の熟練職人の手による逸品のオールドグラス。(10オンス / 5オンス)

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