鈴木盛久工房 亀甲霰平宝珠形鉄瓶 (大・小)

南部鉄器といえば”漆黒”というイメージがありますが、「亀甲霰平宝珠形鉄瓶」は、表面をお歯黒で着色することで生まれる味わい深い錆色が印象的です。
大小それぞれ同じデザインですが、サイズによって色が異なります。
「小」は、工房特有の ”錆色”。「大」は、より黒に近い、落ち着いた ”濃錆色” です。
松毬がモチーフの蓋のつまみには、「虫食い」と呼ばれる細工が施され、小さな孔が開いています。つまみの内部は空洞になっており、熱くなり過ぎないよう、工夫がされています。細かな部分にも手を凝らした美しい鉄瓶です。
口造りは、輪をめぐらしたような形の「輪口 (わぐち) 仕様」。
持ち手は、鉄の丸棒を曲げて造られる「無垢鉉 (むくづる)」です。
鉄瓶裏面の中央部には、「へそ」を埋め戻した跡があります。
へそは、溶鉄を流し込むために開けられていた穴で、この跡があることは、伝統的な鋳造技法によって作られた「焼型鉄瓶」である証し。注ぎ口の付け根部分には、「盛久」の刻印が入っています。
「焼型鉄瓶」と「生型鉄瓶」の違い


一方、「焼型鋳造法」は、古来からの伝統的な製作技法であり、高度な技術はもちろん、多くの知識や経験が必要とされる技法です。
きめの細かい真土型に、一つひとつ手作業によって描かれる美しい文様や繊細な鋳肌は、「焼型」ならでは。
熟練の職人によって鋳込まれる鉄瓶は、最適な厚みを持ち、必要以上に重たくなりません。
そして、全てが手作業ゆえ、同じ型の鉄瓶でも、それぞれにわずかに異なる表情を見せてくれます。
この技法によって作られる鉄瓶は、「焼型鉄瓶」と呼ばれ、区別されます。
南部鉄器の歴史そのものとも言える”鈴木盛久工房”の南部鉄瓶は、すべて「焼型鋳造法」によるもの。
製作には一切の妥協を許さず、多くの手間と時間を掛けながら、一つひとつ丁寧に作られています。




70代 / 男性
【亀甲霰平宝珠形鉄瓶 (大)】
長く使えるよい鉄瓶を探していましたところ、鈴木盛久工房を知りました。
写真を見ただけで「亀甲霰平宝珠形鉄瓶 / 大」に感動し、すぐに注文いたしました。
届いた現物を拝見し、醸し出された風格、品のよさ、丁寧な仕上がり、
どれをとっても匠の技と心を感じました。
優秀な工芸品として棚に置いて飾っておいてもよいとは思いますが、
毎日実用として使うのが鉄瓶も喜んでくれることと思います。
きれいに白膜がつくように愛用いたします。
価値あるよい買い物をしたと、幸せな気分でおります。[2021/04/04]

※販売価格は、”ご予約購入時” の価格となります。(変更となる場合もございます)
※消費税率は、”商品入荷時” の税率となります。ご予約購入後、税率が変更された場合は、差額をご請求致します。

※販売価格は、”ご予約購入時” の価格となります。(変更となる場合もございます)
※消費税率は、”商品入荷時” の税率となります。ご予約購入後、税率が変更された場合は、差額をご請求致します。
【熱源について】
・炭火が最適ですが、ガスレンジやIH調理器でもご使用頂けます。その場合は、弱火を心掛けてください。
※IH調理器によっては、底径12cm未満のものは加熱できないなどの仕様がございます。
お使いになる機器の取扱説明書などをよくご確認の上、ご利用ください。
IH調理器に関するお問い合わせは、IH調理器の各製造メーカーへお問い合わせください。
【商品の特性・ご注意】
・同じ商品でも、一点ごとに色味や質感の表情、雰囲気が微妙に異なりますが、これは、鈴木盛久工房特有の
魅力ですので、風合いとしてお楽しみください。
・一つひとつ手作りされるため、同じ商品でも寸法や重量などに若干の差異が生じる場合がございます。
おおよその ”目安” としてご理解ください。
・熱くなった本体や蓋は、テーブルなどに直接置かないでください。
【お手入れについて】
・鉄瓶の内側は、絶対に触らないでください。
・鉄瓶の内側や外側を洗剤で洗ったり、たわしやスポンジ等でこすったりなどは、絶対にしないでください。
・ご使用後は、鉄瓶の内側・外側をしっかりと乾燥させてください。
・鉄器は、水分や塩分、油分を嫌いますので、それらは避けてお使いください。
・汚れなどは、乾いた布で乾拭きしてください。乾拭きで取れない場合は、熱湯で洗い、しっかりと水分を
拭き取ってください。
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鈴木盛久工房製 南部鉄瓶 取り扱い一覧


鈴木盛久工房 (すずきもりひさこうぼう)
江戸時代に南部藩が城を構えた城下町・盛岡の地で、400年続く南部鉄器の老舗。
鈴木家は、寛永2年 (1625) に、南部家の本国・甲州より御用鋳物師として召し抱えられて以来、藩の御用を代々勤めてきました。
昔ながらの伝統技法を受け継ぎ、様々な南部鉄器を作り続けています。
第13代鈴木盛久は、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形文化財」。
現在、「鈴木盛久」の名は、15代目の熊谷志衣子さんにより、継承されています。歴代の中で初の女性鋳物師ということで、注目を集める存在です。
▶ 鈴木盛久工房 取扱い商品一覧
南部鉄器とは


南部鉄器といえば、岩手県の代表的な工芸品です。
その歴史は古く、平泉藤原氏三代の頃より、刀剣、鉄香炉、釜などの鋳造が行われていましたが、17世紀中頃、
茶道に造詣の深かった28代南部藩主が、京都から盛岡に釜師を招き、茶の湯釜を作らせたのが始まりといわれます。
盛岡の地は古くから砂鉄・岩鉄などの良質な鉄資源に恵まれ、川砂・粘土、漆、木炭など鋳物に必要な原料が
豊富に産出されたことも、この地で南部鉄器が栄えた大きな一因とされています。
「わび・さび」を重んじる心が生みだす独特の品格を持つ南部鉄器は、藩主の献上品として栄えた性格上、
美術工芸品的要素が強いという特質があります。
南部鉄器の"茶托" いろいろ


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